野良馬ヒンヒン

思いつきを記録しています。下らぬものです。

1.8%の平均年令60代後半の農家が、全国民の野菜とコメを作っているという事実

http://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/

 

一昨年農業に従事していた人は239万人。昨年は227万人。
新規就農者も5万人いますが、純減17万人と差し引きしてマイナス12万人でマイナス5%。

 

すごいペースで減っています。さらに平均年齢は66歳。
後、数年で引退する人が続出するでしょうから、その時に一体どうなるのでしょう。

 

227万人というのは、日本の人口の1.8%です。
そのたった1.8%の平均年齢60代後半の高齢者たちが、日本人の食生活を支えています。

 

日本は食料自給率が低いと言われてきましが、農作物の中で小麦・大豆・果物・畜産物を除いて考えると、約8割の野菜・ほぼ100%のコメを生産しているのです。

 

農林水産省/特集1 食の未来を支える 食料自給率(2)

 

たった1.8%の平均年齢60代後半の農家の人たちが、一億2000万人の野菜とコメを!
こんな超効率の良い農業をやってる国って、他になかなかないんじゃないの? と思ってしまいます。

 

そもそも人件費の高くなった先進国で、手間・人手のかかる農業というものは、産業として本来成り立ちません。
しかし食料というのは人間の生命そのものですから、最も重要なライフラインなのです。
激しい競争にさらす産業という捉え方ではなく、保護して育成し守っていく国の事業として考えていくべきだと思うのです。

 

その状況と逆行するように、補助金は外され、TPPという国際競争の輪に加わろうとしているようです。
しかし人件費が高く、就労人口が右下がりの産業で対抗できるわけがありません。

 

高級路線で付加価値をつけて売れ、という意見もありますが、それ以前に、国民の食料=国民の生命という本来の目的を満たせなくなったら、元も子もありません。

 

安い農産物を輸入すればいいかもしれません。

しかし比較的日持ちにする果物や、穀物などはまだ海外から輸入できるますが、生鮮野菜というのはそもそも輸入に不向きです。


また農家がこのまま激減していけば、輸入も生産もできず、生鮮野菜の価格が高騰するという自体も数年内にあり得ると思います。

日本の野菜危機が、静かにそこまで来ていると思っています。