うちの親族の一人は物を捨てられない。
「もったいない精神だ」という。
捨てずにとっておいたものも雨風にあたる
半分屋外の庇の下に積み上げておいて
半ば朽ち果てるまで置いておく。
そこまで傷ませると、もう捨てるしかない。
そうすれば判断が楽。
ここまで取っておいたのだからいいだろうと、寂しさもなく心理的に負担もない。
言い換えれば、ただ朽ちるのを待っている。
「もったいない精神」とはだいぶ違う。
物を捨てるのはストレスが大きい。
物を捨てる判断・決断の難しさ。
場合によっては別れの寂しさ。
そういうものから逃げているだけ。
捨てる意気地がない。
物を捨てるというのは、そういう心理的負担や責任を引き受けること。
できないのは、判断がつかないだけじゃなく逃げている部分があると思う。
しかしかつて、大ブームの断捨離。
あれはあれで依存症的に見える。