野良馬ヒンヒン

思いつきを記録しています。下らぬものです。

昔の普通のカツ丼が食べたい

以前マツコの番組で、昔ながらのオムライスが最近ない、という話をしていた。

最近はデミグラスソースが掛かっていて、卵は焼面が下で上側は半熟になっている。

たしかに。

 

これが流行り始めたのは、伊丹十三監督の「たんぽぽ」の中で「たいめいけん」風オムライスが紹介されて以降、全国的に広まったように思う。たんぽぽオムライスともいわれているらしい。

 

家庭のオムライスとコレは当然違う。しかしその間にあった、たいめいけん風じゃない洋食屋さんのオムライスはほぼ絶滅してしまった。これを嘆いていたのだと思う。

 

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日本橋人形町には人気の親子丼を出す鶏料理店があるという。行列だそうだ。

ここのはゆるめに固めた溶き卵の上に、さらに卵黄を載せるという。

とろとろのとろとろだ。

 

これがスタンダードになってしまったのか、近年はいろんなところで親子丼を頼んでも、だいたいゆるい。卵かけごはんみたいになっている。もう少し硬くてもいいんじゃないの。白身が透明ですよ。とろとろというかべしゃべしゃだ。

 

しかもそれがカツ丼にまで影響してしまって、カツ丼まで溶き卵がゆるゆるだ。昔のきっちりとじられた卵のかかった衣のカツ丼が食べたい。あれが旨かったのに、これじゃカツの上に生卵のっけたみたいじゃないか。なんともゆるい褌のようだ。力が入らない。

 

最近、近所に結構昔気質のこだわりの定食屋さんができた。

ここなら昔ながらの強めにとじたカツ丼があるのではないか、と思い、突撃。

 

しかしながら出てきたのは意外にも、溶き卵ではなく、目玉焼風のたまごがのっかったカツ丼であった。

 

なぜみながみな新奇なものを狙うか。

 

なぜ日本中がトロトロ好きなのか。

 

悲しい。