60~70年代のR&Bはアトランティック・レコードの存在が大きく、その会社のビッグ2は、アーメット・アーティガンとジェリー・ウェクスラーという人たちなのですが、アリフ・マーディンやトム・ダウドという才人たちも控えていました。
マーディンはトルコ出身で、若くしてアメリカに渡り、クインシー・ジョーンズ主催の奨学金を得て、音楽大学で学び、アトランティックの現場監督的サウンドプロデューサーとして、様々なジャンルナンバーワンアーティストをプロデュースしたようです。
たとえば、キング・カーティス、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズ、ダニー・ハサウェイ、ロッド・スチュワート、ウィリー・ネルソン、ラスカルズ、AWB、ベット・ミドラー、ドクター・ジョン、バリー・マニロウ、ビージーズ、果てはカルチャークラブに、スクリッティ・ポリッティ、晩年はノラ・ジョーンズにラウル・ミドン。
そのジャンルの広さに、レベルの高さに、活躍した年月の長さ…エベレスト級のプロデューサーなのですが、意外にも日本ではあまり名が浸透せず、まとまった資料も少なく、自分も正直ネット情報でここまで知ったくらいです。亡くなって数年経ちますが、記録映画も日本公開されず、寂しい限り。
コレは映画の予告編です。
それにしても、アリフとアーティガンはトルコ人、ウェクスラーはユダヤ系と、ニューヨークで、ブラックミュージックを盛り立てたのが、こういう出自の人たちだったというのは、不思議な感じがします。