知人の子は中学生になって運動部に入った。しかしそこはかなりハードな練習内容と時間らしい。朝五時に起きて、夜七時過ぎにボロボロになって帰宅。ご飯風呂の後、すぐ寝る生活。とても勉強をしてる間もなく、親御さんたちはかなり心配しているという。何分先生が若くてまだ独身で、部活動にやるきまんまんなので意見も言いづらい。
今朝のモーニングショーでは「タダ塾」というボランティアの学習塾が取り上げられていた。経済的な理由から、通う子の家庭の多くは母子家庭だという。
昔から学校の後には、塾に行き、受験に備えるというのは多くあった。自分も30年近く前、中3の終わりに数ヶ月通った。社会的にも、塾だよりの受験戦争や、塾の高額な費用が取り沙汰されてきた。
そこで学校に勉強する部活があったらどうだろうと思った。学校には、教師も、教室も、資料もある。過剰なほど時間を費やす練習時間を、本分の勉強にあててもいいと思う。塾代の節約にもなる。放課後の学校というのは、かなり可能性のある場所ではないか。
例えば、月曜は国語、火曜は数学…のように曜日と教室を割り振り、専門の教師を置き、自習を助ける。他の部活動の子も、週に一度か二度、苦手科目だけ通えば良いと思うのだけど。ボランティアで教えてもいいという、地域の元教師なんかも居そうな気がする。
学校の先生も、カリキュラムが終わった後に、また補習か…と思うかもしれないけど、部活動の一環として考えればよさそうに思う。
そして、もうひとつ思うのは、運動部で活躍できるレギュラーメンバーを支える補欠の子たち。彼らは充分に感謝を受けているだろうか。
補欠の子たちが居なければ、練習が成り立たないような運動部は結構あると思う。レギュラーの練習台になり、球拾いをし、声を出し続ける。
それだけ貢献しても、光を浴びるのはレギュラーの子たち。おそれくレギュラーメンバーも、あまり感謝しきれては居ないのではないだろうか。下手くそと見下げていることもあるのではないか。それでも補欠の子たちは、チームの勝利のために、主体的な部活動のために、明日も早起きを続けるのだろうか。
そうしてまで、補欠の子たちは、部活に身を捧げている(ように見える)。
彼ら自身も気がついていないかもしれないけど、勉強時間も割いてまで、部活に時間や労力を捧げている。もしかしたら、その時間を少し勉強に向けたら、彼らの将来はもっと良い方向へ進むことができるかもしれない。
そう考えると、大げさに言えば、未来も捧げていると言ってもいいのではないか。彼らの放課後を、つかめない栄光だけでなく、現実的な将来に少し割り当ててもよいのではないだろうか。