netflixで映画を見ました。
アメリカの寒村で暮らす貧しい家族。父は麻薬の密造でつかまり保釈されたが、そのまま消えた。裁判まで帰ってこなければ、保釈金の担保に当てられた、妻と三人の子の住む家や土地が取り上げられてしまう。17歳の長女が父を探すが、麻薬で荒んだ生活をする親戚縁者は、なぜかそれを止める。
村自体が貧困地域であり、そこに住む一族は麻薬を作り、売り、麻薬に浸って暮らしている生活が生々しく描かれる。アメリカの田舎というと、ブルーグラスを聴きながら、正直者が住む長閑なところのように思っていたが、貧困が家族の縁もモラルも破壊してしまうのだろうか。
終盤、ウィンターズ・ボーンのもつ意味が分かるような陰鬱な終結。消して感動作ではなく、重く暗い題材だが、どこか詩情をたたえている。
少女が父親を探すというメインストーリーの果て、彼女に変化があるわけではなく、あるとすれば、ドライであった少女の心がより乾いた、というだけです。そのひりひりした事実はフィクションでありながら、世の現実の重さを思わせるものでした。