TBSラジオの伊集院光の番組に林家木久扇が登場。面白かった。
中野工業高校の食品化学工業課程を卒業し森永乳業に入ったが、その後、色っぽい河童の漫画で人気だった清水崑のアシスタントになった。しかし声帯模写がうまいので芸人のほうが向いてるんじゃないか、と桂三木助のところに連れて行かれる。適当に話を合わせていると弟子入りすることになってしまう。
ラーメンが好きなので、楽屋で他の落語家からどこに行くと美味しいラーメンががあるのか聞かれる。イチイチ教えてるのが面倒なので「ラーメン新聞」をガリ版で作って楽屋で配ると、評判となる。読売新聞社からそれを記事に載せたいと言われ、読者からも反響があった。じゃあ甘党辛党みたいにラーメン党作ろうとなった。食品関係の高校だったから同級生が食品メーカーにおり、ラーメンを製造して販売することになった。
ラーメンブームも、タレントのサイドビジネスも、タイアップ商法も、グルメナビゲーターも、全ての先駆けなのだ。
落語というものは、本来下らなくって笑えるものなのに、明治以降、まじめになり過ぎて、しかめっ面で稽古してたりして、笑えない。だから自分は下らなくて笑えるものをやりたい。若手がやる勉強会とかも懐疑的。そもそも落語嫌い。
弟子に教える大事なことは「入金」。落語家たちは経済の話を全然しないけど、自分は「人生は売り上げだ」と思っている。今月よりも来月の売上が伸びることをグラフに着けておくと自分の活躍が分かる。落語を仕事としてやる以上、商品化しなくちゃいけないから、お金に換算しなきゃいけない。
「ばか」が売りの木久ちゃんなのに、すごく批評性があってドライでクレバーな話しぶり。もっと話せばブラック木久扇に会えそうだったった。インテリだよ。
三木助師匠の話をずうっと横で聞いていたから、本格的な落語もできるけど、入金が減るからやらない、とかも面白い。