昨日は休みだったので、yotubeで奥田民生の「カンタンカンタビレシリーズ」を視ていた。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLJUYLQualGBjsiGauucIoOB-TLOhXiJIg
これは小さなスタジオ(ほぼ作業場)で古いアナログ機材を使って宅録風に音楽を録音しようという試み。昨年の秋からスタートして十数曲分が公開されている。その十数曲が各パート回とミックスダウン回で大体4回前後に分割されているので、これまでアップロードされたものは数十回に及ぶ。
使っている機材は民生品(タミオヒンではなくミンセイヒン。プロ用にではなく、一般用として売り出された機材)で割と小さめのものだ。その当時は高級だったと思うけど。
特に素晴らしいなと思うのはテープに録音するためのレコーダー。オープンリールタイプのTEAC33-8というもの。これで録った音が非常に気持ち良いのがyoutubeからも伝わるし、完成されたアップロードを聴いてみればさらによくわかる。
生々しくて中域が太い。高域は弱いけど、その分上から潰してコンプされたような音色が却って心地よい。テープコンプというらしい。
有り体に言えば昔の音楽の音がする。逆にこれが新鮮だし、演奏した楽器の生々しさもよく再現されている。プロデュースしすぎ、加工しすぎの近年のポップミュージックに浸かっている耳には、ああ、これが音楽だったよなあ、という再発見がある。
これらはもう新品では手に入らないけど、中古で出回っている。欲しい人は欲しいので、まあまあの値段がついている。自分も欲しくなってしまった。遊びで録音するキーボードのシーケンサーはどうしてもクリアな音なので、ちょっと物足りなくも思う。
インターネットでの中古市場が活発になってきたおかげで、こういうものが捨てられずに生き延び始めたのだろうか。
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今朝ラジオを付けたら、中古市場の流通量が主にネット上で増えているという話をしていた。コメンテイターは、これは資源を大切にする良いことだと話していた。必ずしも新品が絶対に良い、という価値観が変わってきたのではというような内容。
次にテレビを付けたらNHKで金継ぎの話題を流していた。震災などで被災し壊れた焼き物類のヒビや欠けを直す。接着した合わせ目に金箔を張り付けて見た目を良くする。これが金継ぎ。
本来は漆を使って接着するところを合成樹脂で合わせるので、素人にも簡単にできるようになってきたという。専門家が思い出の品を直したいという希望者に指導をしている。
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もう10年近く前だろうか。テレビの特番で所ジョージが語っていたことが印象に残った。
みんなペットボトルから直接お茶を飲むけど、自分はグラスに入れて飲みたい。できればちゃんと急須で淹れたい。器が割れれば金継ぎして直して使いたい。みんな横着だし、古いものを粗末にするし、そういう生活が嫌い。自分は古いものを直しながら使いたいし、丁寧に暮らしたい。
概ねそういう話だったと思う。
これはコマーシャルをたくさん受け持つタレントさんとしては、大変勇気の必要な発言だと思う。ペットボトル飲料やなんでも新品を売りたい大手メーカーからや、その取次の広告会社から疎まれてもおかしくない。当然そういう面への配慮を忘れたわけでもなく、ただきちんと自分の意見を述べたのだと思う。
これは当時自分には予言のように聞こえた。またそういう価値観が見直される世の中が来るよという。
中古市場の発達や、レコードやカセットテープの見直しなんかも起こっているし、予言(?)は当たりつつあるのかもしれない
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思えば奥田民生は所ジョージの音楽に影響を受けていたはず。こういうセンスがぐるりと一周してつながったような気がする。