ユーミンが16歳のころ、市ヶ谷にあったはっぴいえんどの事務所で、後の夫の松任谷正隆と松本隆とともに市ヶ谷記念館のバルコニーで演説する三島由紀夫を生で見ていたというのが事実だったらしく、衝撃を受けた。
実はユーミンも三島も良くは知らないのだけど、戦後の昭和の前半の文化における寵児の三島と、その後の世代のの代表選手のユーミン。
戦後から60年代くらいまでの文化は、まだ教養主義的で発信側も受信側も男性中心という(あくまでも自分の中の勝手な)イメージだったのだけど、70年代以降というのは感覚的で発信も受信も女性の割合が高くなっていったと感じていた。
その両側を象徴するような二人が、ここで偶然ながら、数十メートル(数百メートル?)の距離を置いて交差していたというのは、何ともシンボリックな事件だと思う。
しかも一緒に見ていた松任谷正隆は、実は愛国者の大物の血筋の人間なのだから、運命というのは何とも不思議だ。