えひめ丸の事件は丁度二十年前の2月10日であった。その対応をめぐり森喜朗は総理を辞任。そして二十年後の2月4日に今回の失言があった。嫌な奇遇である。結局国民軽視が過ぎた。身の回りの身内だけを大切にするのだろう。
森喜朗のえひめ丸事件の対応を批判されたのに、なぜかその後二十年の間は主に森派の隆盛が続いた。小泉・福田・安倍と三人の総理を出し、うち二人は長期政権だった。わいろも含めて利益分配主義だった田中派の流れは絶たれ、緊縮主義の福田派(森派)に流れがきた。よってこの二十年の間、消費税を上げ、法人税を下げた。社会保険料を上げ、還元を下げた。国債は株の買い入れに当てられ、その責任は国民にあるという形に巧妙に洗脳した。結果可処分所得は大幅に下落した。つまり国民は貧乏にされた。
森派王朝の最高の栄華を極めんとする五輪は棚ぼただったかもしれないが(そういえば小池百合子も元々森派であって小泉政権で活躍した)、その果実を目の前にしてコロナという槌で夢は砕かれた。安倍総理は辞任し、森会長も辞任する。
何かが変わるのかもしれないという予感はするが、与党野党を見ても任せたいと思える人はいない。しかし我々のその無関心こそが森派を支えた原資だったのだ。この二十年で投票率は約6割から5割に下がっている。