野良馬ヒンヒン

思いつきを記録しています。下らぬものです。

ネット上で傷痍軍人の話が少し出ていて、自分が覚えているものを書いておこうかと思った。

 

70年代の終わりごろ、成田山の参道の一角で見た。片足や片腕が無かった。汚れた兵装風の服を着ていて、座り込んでいて何か楽器を演奏していたようにも覚えている。その頃自分は五、六歳でとても怖かった。

 

その二、三年後だから80年代の頭ころ、ある年の天皇誕生日一般参賀の日。東京駅から皇居に差し掛かったあたりでアイスを売っている片手首がない人がいた。その人にお金を渡すと、袋入り棒アイスを頭の方からその手首の部分で押して、袋から剥いてくれた。その人は普通の格好だったと思うけど、きっとこの人は戦争で片腕を失ったのではないかと勝手に思い込んだ。この人がいわゆる傷痍軍人なのかは分からない。

 

こういう人たちは、本当に戦争にいったかどうかは怪しいという話も聞いたが確かめることもなく、その後数年のうちにみんないなくなったと思う。