「さかなのこ」を観た。
最初は絶対見ないタイプの映画だろうと思っていたけど、ネットでは意外にも「傑作!」と絶賛する人も多い。
時折見ているyoutube配信、漫才師の米粒写経の「映画談話室」では、試写で観てとても良かったという映画評論家の松崎健夫氏の話があった。年に数百本を見るこの人は、めったに映画の内容に入り込むことは無いのだけど、この映画は後半とても感情移入してしまったという。そんな見巧者が、それだけ素晴らしいと言うなら見て見ようと思った。
米粒写経の居島一平氏は上の映像の通り、当初は予告編見てイラついたから絶対見たくないということだったが、ひと月後の配信では実際に観て印象を訂正している。
自分としてはちょっと長い。三つのパートに分かれているのだけど、真ん中が長い。もしここが短いか、無かったら、もっと鮮烈な印象になったのではないだろうか。
最後の展開で〇〇が××したというのも、なんとなく安直で首をひねる感じがあった。事実ならば仕方ないし、寓話的な物語で子供向けでもあるのでこういう形にまとめたのかもしれないけど。
そういうマイナス点もあれど総合的には良かった。傑作までは行かないけれど。性善説のファンタジーなのだけど、成功の裏側のダークサイドもチラリと触れているので、バランスが取れている。
どことなく不安定で不穏な雰囲気の画面や間合いも独特の魅力があるし、子供時代の主人公役の子役や、「カミソリ籾」役の岡山天音も、この世の人ではないような儚げな魅力があった。さかなくん本人の役も意味が深く、面白みを与えている。
なんて書いているけど、実査に観終わったときは、長かったなー、という程度の感想だった。それがなぜだか、その後数日間この映画について考えているのだ。観た後、やっぱりあのシーン、あの雰囲気良かったなと反芻してる内になぜか印象が良くなっていった。
実は岡田斗司夫氏もそのようで、こんな動画を出している。
この動画で氏が語る様に、観た後ずっとこの映画について考えてしまう、何がいいのか上手く言えない良さがある不思議な映画なのだ。