最低賃金は1990年頃に平均約500円だった。35年かかって倍になった。さらに同じ額を5年で上げろって無茶だと思う。無理が起これば、しわ寄せが起こる。そこから別の不全が起こる。
むしろ30年低成長&デフレなのに最賃は倍になったのだ。でもなぜか生活は楽にならない。ずっとデフレで物価はあまり上がらなかったのに。
なぜか。税金と社会保障費が上がってるからだろう。
賃金を上がっても、国に払うものが増えただけ。右から左。
そして今、仮に1.5倍にしてもそれは物価が高くなるだけで、やはり生活が楽になるわけではない。高くなった人件費が、物価に反映されるだけ。これもやはり、右から左だ。
マクロで経済成長させ続けないかぎり、最賃アップで解決できることは少ないだろう。政治家・経団連・官僚は、自分たちは30年経済成長させない方針でいたくせに、そのツケを時給の現場に押し付けているだけ。無責任。
また多くの労働者は労働争議や賃金交渉などリスクの高い行為はせず、高い給料を求めて転職をするわけでもなかった。ならば賃金は上がらないだろう。国も会社も親鳥ではない。雛が鳴いても、口を開けても、餌をくれるわけではない。