桜というのは、咲いているときに見るのは最高にきれい。
しかしその後は結構大変。
まず大量の花弁が散る。
これを片付ける。
薄くてアスファルトに張り付きやすく、掃きとりにくい。
続いてやはり大量の花芯が落ちてくる。
日が経つにつれ、色があせ、汚くなってしまう。
これは花弁よりもさらに片づけにくい。
溝や隅に入り込んで、固まって出てこない。
四月は天気が定まらず雨も多く、
一度濡れた花弁と花芯はこれでもかと道にこびりつく。
消毒をしないと、夏の終わりに毛虫がわんさかわく。
冬になれば、これも大量の落ち葉が落ちる。
いっぺんに落ちれば掃除も一度だが、少しずつ毎日落ちる。
二、三週間、落ち葉を掃く。
沢山の落ち葉はゴミ袋につめて幾つも廃棄する。
桜の周りに暮らす人は、桜の咲いていない時期に、こういう労力をささげる。
桜が咲くとよそからわれ先にやってきて占領し、
酒を飲み、叫び、暴れ、ゴミを撒いて帰っていく輩は、
こういうことが分からないだろう。
分かっていたら、あんな図々しことできないだろう。
公園だからいいだろう、と考えるかもしれないが、
そこにはやはり税金が原資である行政の手間、暇、金、がかかっている。
それでもやはり毎年咲く桜は美しいし、
夏には大きな木陰をくれる。
それがありがたくて、みな桜を世話するのだろうと思う。