野良馬ヒンヒン

思いつきを記録しています。下らぬものです。

ジェームス三木の「翼をください」

ジェームス三木というと「春のあゆみ」スキャンダルを思い出してしまう下衆な自分が嫌になりますが、名脚本家であります。

 

例えば江口洋介のデビュー作「翼をください」。

 

 

同じ町に進学校と落ちこぼれの学校。別々の制服なので町の人にも比べられる。

落ちこぼれ校に新任の「イマイチ」先生がやってきて生徒を焚きつける。

「お前達の不平・不満を地域の人達に聞いてもらおうじゃないか!」

やがて心を開く生徒たち。発表をする文化祭の日が近づくが‥‥

 

生徒が次々に思いの丈を話しだすシーンの演技とは思えないリアリティや

様々な妨害を乗り越えた先のエンディング

教師役の鶴太郎の熱演など見どころが沢山あります。

 

演出は富澤正幸。おんな太閤記やチロルの挽歌、春日局の名将です。

生々しいほどの生徒たちのシーン、どうやって演技をつけたのでしょうか。

 

リアリストのジェームス三木が贈る青春賛歌なので、大人も惹きこまれます。

ジェームスにとっては異色作かもしれません。

小品かもしれませんが、その分純度の高い良い作品です。

あまりの反響に何度も再放送され、舞台化も度々されています。

 

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本放送時に中学生で、たまたまNHKで見ておりました。

次の日学校に行くとヤンキー系の女子が

「昨日いいドラマやってた! 見た? 見た?」

と周りに話していたのが印象的でした。

あの子は元気かな。

 

80年代に中高生だった人は是非是非。今ならフル尺で上がってます。

 

 

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むかしのNHKは単発のさりげないいいドラマがあったなあ。