自意識が過剰になって、自分を大切にしよう、という時代がいつごろからあるのかわかりませんが、多分昭和の中頃くらいからじゃないでしょうか。バブル前くらいからでしょうか。
偶然かもしれませんが、時を同じくして、他人を尊重できないという感性も出てきたように感じます。自分には甘いけど、他人に対しての評価や姿勢が厳しい。
この辺がバランスシートになっているのかもしれません。愛情が自然に(無意識に)自分に向いているか、他人に向いているか。内向きか、外向きか。
今よりもっと昔の、戦後から高度成長期を懐かしむ感じが、一時期高まりました。三丁目の夕日の映画版が流行った頃です。
自分は四十七年生まれですので、少しかすっているか、いないかですが、子供の頃の(美化された?)記憶の中では、あの頃は、今よりもう少し、他人に対して大らかであったような気がします。
それは社会の中の心理としての、自意識の高まりと重なっているような気がしているのです。自己を意識しはじめると、他者への防衛反応や、批評意識が、同時に強まるという心の動きが起こるように感じます。
これが時代性とも、ある程度関係があるようにも思うのです。そこには、何があったのか、まだ想像がつきません。昔の映画やドラマを見ると、(もちろんフィクションだけど)今との人間の関係性の違いのようなものが、社会一般にあるというのを、感じるのです。ノンフィクションの映像ならもっと良いかもしれませんが。
それはいつ頃からだったのだろうか、なぜだったのだろうか。