野良馬ヒンヒン

思いつきを記録しています。下らぬものです。

「ゲットバック」視た。

ビートルズファンお待ちかね、撮影から50年後に公開されたゲットバック(レットイットビー)セッションの未公開映像集。

 

なかなか感慨深いですね。そしてまず思ったのは落ち着きがない。特にジョンレノン。小五の男子と言う感じ。

 

それまでの使い慣れたアビーロードスタジオで関係者以外シャットアウトされた聖域とこの現場は大分違っていた。

 

映画撮影用のスタジオで映画関連のスタッフ常駐の中、プロデューサーもジョージ・マーチンからグリン・ジョンズに交代という慣れない環境の上、前作からのメンバーの軋轢がうっすら残ったままだったので、メンバーも落ち着きがなく、どことなくトゲトゲしてる。

 

ジョンは延々にはしゃぎ続けているかと思うと、神妙な顔をして真面目なことをつぶやいたり、かと思うとスタッフの荷物運びを手伝ったり、ぐったり疲れたり、目が離せない。そこが勝新のごとくチャーミング。薬物やっていたのだろうか。

 

音楽的にジョンが印象的なのは、デビュー間もなくから最後までエピフォンカジノというマイナーなギターをずっと使い続けていること。カジノが大好きな感じ。ボディが完全に中空なのでアコースティックギターのように体に響く感じがシンガーとしては歌いながら弾きやすいのかもしれない。

 

このギターは元々バイオリンの様な濃いブラウンカラーだったのだけど、塗装を剥がして木目にしているのも印象的。このころのストレートの長髪にひげ無し丸メガネでシンプルな衣装の、あっさりしたジョンのルックスともなんともマッチしている。

 

最後は有名な自社ビル屋上でのライブ。このライブシーンはそれまでの抑圧の反動もあり、うっぷんを晴らすようにメンバーが冴えまくる。生々しくてワイルド。感動ですね。

 

ここでのポールはもはや音楽の化身。神のごとく歌いまくりベース弾きまくる。後光がさしてるよう。ジョンも遅ればせながらノッて来て、お調子者らしくポーズを決めながらシャウトしまくる。ジョージもリンゴも艶っぽい。

 

晩年に悲しい最期を迎えたビリー・プレストンもまだあどけない笑顔の若者。この人の活躍のおかげでとりとめのないこの歴史的セッションは音楽的に報われた。

 

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