スタジオジブリのプロデューサーが、いかに高畑勲監督が大変な人だったかとインタビューで話していて、その人に興味を持った。映画を見たのは火垂るの墓くらいなのだけど。そこで著作「映画を作りながら考えたこと」をちょっとめくってみた。
とにかく膨大な文字数なので興味ある所からつまんでみようと目次を読むと、山田太一と対談をしている。
互いにシンパシーがあるらしく、話がはずんでいる。高畑勲はハイジを作っているときにたまたま見た「岸辺のアルバム」に強く印象を受け、再放送をずっと見ていたという。また「火垂るの墓」について話すときは「終わりに見た町」を読み返すらしい。
また山田太一も高畑作品が好きだという。
この対談は90年ころなので、その後の作品については語られていないが、別のところで山田太一は高畑作品の最高傑作は「山田くん」だと話していたのを覚えている。
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共にリアリズムの巨匠であり、市井の人たちを描いた。
二人が現代について話をしたら、どうなったろう。
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山田太一は、ドラマの世界は言わずもなが、音楽の世界でも小沢健二やスチャダラパーに影響を与え、アニメの頂点の一つである高畑勲にもそうであった。きっと文学の世界でもそうではないだろうか。そう思うと今のうちに、達成したものを誰かまとめても良いのではないかと思う。いやそれをやらないのが、それらしいのだろうか。